日経新聞で「会計士から配管工に転職して収入が3倍になった」という記事を読みました。
月に1万2000ドル――日本円で約190万円。
かつて“知的労働の花形”だった会計士より、現場で働くブルーワーカーのほうが高収入になるなんて、少し前までは考えにくい話でした。
記事には、アマゾンを解雇された男性のため息や、AIによる失業を指摘する研究者のコメントもあり、「知的労働の一部はAIに置き換わりつつある」という現実を淡々と突きつけられます。
アメリカには「アメリカンドリーム」がありますが、日本はどちらかというと現実的です。現場で汗を流しても、報われにくい仕組みがまだ残っている。働いても豊かになりにくい、そんな空気をどこかで感じます。
最近は「賃金を上げろ」という声が以前より強く聞こえます。しかし、中小・零細企業にはそもそも“儲かる構造”が乏しい。利益がなければ給料を上げたくても上げられません。結局、一番苦しい思いをしているのは、現場で手を動かしてくれている人たちなのだろうと思います。
それでも、設備工事のような専門分野には、確かな未来があります。
日本では今も、工事代金が下請けに回るほど細かく削られていき、最終的に利益を得るのはゼネコンという構造が根強く残っています。しかし、実際に手を動かして仕事を完成させるのは下請けの工事業者です。
特に管工事・設備工事は、技術力を軸に元請としての立ち位置を築きやすい分野でもあります。アメリカのように「現場の技術者が正当に評価される時代」が、日本でも来るかもしれない――そんな淡い期待も抱いています。
一方で、労働市場にも変化があります。
高専卒の技術系人材は、今や圧倒的な売り手市場です。どこでも引く手あまた。一方、文系卒の人材は営業か内勤に偏りがちで、営業は人との関わりがあるので残るとしても、内勤業務の中にはAIに置き換えられるものが増えていくはずです。
高専卒であっても、AIを使う側に回らなければ、仕事の一部は奪われてしまうかもしれません。
前回のブログで「ブルーカラービリオネア」、その前には「AI時代の働き方──建設業が最後の砦になる理由」と書きました。今回の記事は、その延長線上のような位置づけです。
AIが知的労働を代替していく時代だからこそ、人の手と経験が必要な現場の価値はむしろ高まっていく。
そして管工事や設備工事は、社会インフラを支える専門分野として、これからの主役になり得るのではないか――。
そんなことを、拙いながらも一生懸命考えつつ、書いてみました。

